モノクロの音色よ鮮やかに響け
川畑はエコーロケーションの為でなく、チッと本気の舌打ちをした。
「ではどんなつもりで来ている?…いや、言わなくていい。安易に言ってはいけない」
川畑は葛藤するかのように頭を抱えた。
もしかして川畑は私の好意なんて、とっくに気付いていたのかもしれない。
川畑は顔を上げると
「この部屋に鏡はあるか?」
と聞いた。
相変わらず急に話が飛ぶ。
「…洗面台の前に」
病室は入ってすぐがトイレ、部屋の奥…トイレ用のスペース分窪んだ部分に、洗面台と冷蔵庫、棚とテレビがあった。
川畑は舌打ちしながらベッドサイドの車椅子に器用に移る。
「連れて行け」
テープから流れるノクターンの中を、私は静かに車椅子を押して洗面台の前に止めた。
「ではどんなつもりで来ている?…いや、言わなくていい。安易に言ってはいけない」
川畑は葛藤するかのように頭を抱えた。
もしかして川畑は私の好意なんて、とっくに気付いていたのかもしれない。
川畑は顔を上げると
「この部屋に鏡はあるか?」
と聞いた。
相変わらず急に話が飛ぶ。
「…洗面台の前に」
病室は入ってすぐがトイレ、部屋の奥…トイレ用のスペース分窪んだ部分に、洗面台と冷蔵庫、棚とテレビがあった。
川畑は舌打ちしながらベッドサイドの車椅子に器用に移る。
「連れて行け」
テープから流れるノクターンの中を、私は静かに車椅子を押して洗面台の前に止めた。