モノクロの音色よ鮮やかに響け
エコーロケーションは音の反響で物との距離や形を測れるのだと認識していたが、医師とのやりとりの中で、川畑は物の大きさや、固いか柔らかいかの質感、形もかなりハッキリと把握出来てる事がわかった。

例えば、目の前に置かれたつみ木の形を当てたり、同じ形と大きさの物でもスポンジのボールと丸い積み木を触れずに当てたり出来るのだ。

でも欠点もあって、反射する物が近くにない広い場所では意味がなく、逆にビル街など反射する物に囲まれた所も、把握するのが大変だそうだ。

担当医は熱心に、エコーロケーションについてのレポートを書かせてくれと迫ったが、川畑は
「見せ物になるつもりはない」
と無愛想に断っていた。
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