モノクロの音色よ鮮やかに響け
きっと、昨日私が帰った後に川畑が用事でセンターへ電話をかけたか、大滝さんから電話が行ったのだろうけど、川畑はどこまで知ってるのだろう…。

「では、お前は今どこに所属して、ここへ来ている?」
「…どこにも」

川畑は激しい感情を抑えている時の、低い声で言った。

「報酬もないのに何故、来る?」
「何故って…そんなの」
涙が出そうになって、深呼吸を一つした。

「川畑さんが好きだからです」
…言って、しまった。

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