モノクロの音色よ鮮やかに響け
姿勢良く堂々と進む先生に、周りが道を空けた。
川畑と私はその後について、やっと渡り廊下を抜けられた。


校舎の中まで追って来る人は居なかったけれど、目的地の音楽室まで、教頭先生は先導してくれた。

私と川畑は合唱発表会の準備や練習の為に、音楽室や隣接している器材室に居る事が多く、器材室の鍵を預かっていたので、私はいつも鞄をそこへ置いていた。

「ありがとうございました、教頭先生」
私は恐縮して言って、器材室に鞄を取りに入った。

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