モノクロの音色よ鮮やかに響け

~後書き~

この小説で伝えたかったのは
『人の立場にたって考える』こと。

恭子の目線に絞って書いたけれど、
恭子が盲目の川畑の事を必死に考えたように
この作品を読んで、登場人物達が…特に川畑が、どう感じてたのだろうと
思いを馳せてくれたら嬉しいです。

これからが青春という時期に光を失って
絶望し、自分の世界に閉じ籠っていた川畑は
若い女の子との出会いなんてなかったことでしょう。
仕事としてだけの為に来る、気のきかない家政婦に、イライラしてあたる事もあったかもしれません。
川畑の、光のない白黒の…モノクロの世界に突然訪れた、若くて初々しくて子犬のように可愛い恭子は、川畑にどんなに世界を鮮やかに見せた事でしょうか。

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