モノクロの音色よ鮮やかに響け
「どうですか、素敵でしょう?イチオシです」
自信たっぷりに言った店員さんは、川畑が目が見えない事を知らない。

川畑はニヤッと笑って言った。
「どの辺が素敵でイチオシか言ってもらおうか」
キャー、お願いだから辞めて…

「まずこのワンピースは、流行のフワッとしたシルエット。
細かい花柄に所々ラインストーンをあしらったデザインは、新作なんですよ。
さりげなく豪華で、明るく可愛い彼女さんにピッタリです」

フフ…と川畑は笑って、私は恥ずかしさに、さっきの川畑どころじゃなく顔がまっ赤になってるのを感じた。
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