モノクロの音色よ鮮やかに響け
「気を悪くしたならすまない」
川畑は、まるきり庶民の私との感覚の違いに戸惑っているようだった。
「そんなっ…川畑さんが謝る事ないです」
私は慌てて否定した。

「いつも良くしてくれるお前に、何かプレゼントしたかった」
ほ、本当に…!?
私は、頑張りが認められていたのと、川畑からプレゼントという喜びで涙が出そうになった。
…逆襲だなんて思ってごめんなさい。

「すっごく、嬉しいです。大事にします」
普段着るにはもったいない。
今度川畑と計画的に出かける事があったら着て行こう、と楽しみに思った。

「着る機会はないかもしれないが、俺も大事にしよう。なにしろ色白で可愛いお前が、カッコイイと言ってくれた物からな」
「か、川畑さん!」
やっぱりちょっとは逆襲だったに違いない。
川畑はクスクスと笑っていて、私もおかしくなって一緒になって笑った。
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