モノクロの音色よ鮮やかに響け
ピアノからソファへ移った川畑に、今度は私から聞く。
「川畑さんも、夕飯のリクエストがあればどうぞ」
「…この間の、煮物は美味かった」

きっと和食かな、と思った予想が的中し、私は少し笑った。
「じゃあ煮物にしますね。買い物に行ってきます」
最近は夕飯の支度も私がするようになっていた。

買い物から帰り、リビングからのクラシックを聴きながら夕飯の支度をする。
煮物のいい匂いに味見してみる。
うん、我ながら上手く出来上がった。

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