モノクロの音色よ鮮やかに響け
「考えておいてくれ」
川畑の表情は普段と変わらない。
「ええっと‥」
どう聞けばいいんだろう。
プロポーズですか?なんて聞いて違ったら恥ずかしい。

「‥五月にこっちでコンサートツアーがあって、父母が帰って来る。
同居が嫌なら他に泊まってもらえばいい。
長い目で見たら、新しく家を建ててもいい」
あ、やっぱりプロポーズと思っていいみたいだ。
それに、普段と変わらないと思った川畑が言い訳をするかのように饒舌で、実は緊張しているのかなと思った。

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