モノクロの音色よ鮮やかに響け

後日談だが、川畑作の、一度聴いただけでも想像をかきたてられるような印象深いその曲は、
『ある音楽家の半生』としてCD化され、多くの人の知る曲となった。

あまり有名でない作家の耳にもとまり、わざわざ訪ねて来て、曲を元に川畑の半生の小説を書かせてもらえないか、なんて言われた事もあった。

川畑はてっきり断るのかと思いきや
「取材は受けない。曲を聴いて想像したフィクションなら、お好きにどうぞ」
と言っていた。

『モノクロの音色よ鮮やかに響け』というタイトルで書かれた本は、その作家の代表作となった。




～終わり～