モノクロの音色よ鮮やかに響け

「あとは時間の間は居ればいい。
用事が出来たら呼ぶ。
以上、質問は？」

急に聞かれてとっさに出て来たのは、
「えっと…黒い服が好きなんですか？」
気になってたとはいえ、仕事と関係ない質問をしてしまった。
わぁ…きっと、バカだと思われた。

川畑は一瞬固まったように動かず、次いで
「あははっ」
と、楽し気に声をあげて笑った。

「聞きたい所はそこなのか？」
川畑はクスクスと笑いながら、足を組み変えててからソファにもたれかかり、少し首を傾げて言った。
「お前、面白いな」

私は恥ずかしくなって、紅潮した頬に両手を当てた。
「衣類が黒しかないのは、どうしてだと思う？想像してごらん」