モノクロの音色よ鮮やかに響け
改めて注意しながら見ると、川畑邸は目が見えない故の工夫と欠点に溢れていた。

窓が多く、陽の光が射し込む部屋部屋は、一見綺麗に見えたが、二階の廊下やゲストルームの角の高い所には、クモの巣が張っていた。

洋風の窓は、障子のように細かく白いサンで区切られた美しいデザインだったが、埃でくすんでしまっていた。

これを一枚一枚拭いてたら日が暮れるだろうな…と思ったが、一日でやるには無理でも、少しずつなら出来るはずだ。

川畑は大掃除はしなくていい、と言ったけれど、私はやるからには徹底してやりたくなって、日常的な掃除プラス一部屋ずつ大掃除して行こう、と決めた。
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