モノクロの音色よ鮮やかに響け
『午前―11時―40分』
二階の掃除を終え、掃除機とバケツを持って降りると、リビングから時計の音声が聞こえた。
「本田くん」
川畑に呼ばれた。
くん!?と思いながら、一旦荷物を階下に置いてリビングに入り、さっきと同じ格好でソファに座っている川畑の前に立つ。
「何でしょうか」
CDで優しい音色のピアノが流れている。
「昼は弁当か?」
仕事が遅い、とでも言われるのかとビクビクしていた私は拍子抜けした。
「はい」
「自分で作るのか?」
「はい。あ、いえ母と」
休日でない限りほぼ毎朝、家族4人分のお弁当を母と一緒に作っている。
父母は仕事へ、弟は学校へ持って出る。
私はここ2ヶ月ほどヘルパー養成教室に通っていたので、教室のある駅前ビルや、実習先の老人施設で食べたりしていた。
二階の掃除を終え、掃除機とバケツを持って降りると、リビングから時計の音声が聞こえた。
「本田くん」
川畑に呼ばれた。
くん!?と思いながら、一旦荷物を階下に置いてリビングに入り、さっきと同じ格好でソファに座っている川畑の前に立つ。
「何でしょうか」
CDで優しい音色のピアノが流れている。
「昼は弁当か?」
仕事が遅い、とでも言われるのかとビクビクしていた私は拍子抜けした。
「はい」
「自分で作るのか?」
「はい。あ、いえ母と」
休日でない限りほぼ毎朝、家族4人分のお弁当を母と一緒に作っている。
父母は仕事へ、弟は学校へ持って出る。
私はここ2ヶ月ほどヘルパー養成教室に通っていたので、教室のある駅前ビルや、実習先の老人施設で食べたりしていた。