モノクロの音色よ鮮やかに響け
「料理が出来るんだな」
私は、もしかして料理もやる事になるのかな…と思い緊張した。
「家庭料理位なら、少し出来ます」

あまり凝った事は出来ない。
一般家庭の料理だ。
この立派な洋館と川畑に似合いそうなのは…フランス料理とか?
そういえば、最初の仕事内容に食事の支度はなかったけど、いつもどうしてるのだろう。

「寿司は好きか?」
「…はい」
どうしよう、寿司なんて作れない。

私の不安をよそに、川畑は頷いて、少し笑って言った。
「今日は、出前を頼もうと思う。弁当は、夕飯の足しにでもしてくれ」
「えっ、あ、はい」

川畑は寿司が好きなのだろうか。
よく出前を取るのか…
それとも私、歓迎されてる!?

川畑は電話の受話器を取ると、番号案内で寿司屋を案内してもらってから、寿司屋に電話をかけていた。
 
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