モノクロの音色よ鮮やかに響け
席につく前に少し考えて、川畑と自分の醤油皿に醤油を入れた。
「正面に寿司桶、右手の手前に醤油皿。お醤油入ってます。左手奥にお茶、置いてあります。箸は寿司桶の前です」
「ん…」
「ご自分で食べられますか?」
「大丈夫だ。ただ…」
川畑は珍しく言い淀んだ。
「…穴子が食べられない」
…なるほど、物の位置だけじゃなく、中身も解説が必要なのだ。
「じゃあ、私の何かと、交換しましょう。
私は穴子好きなので、川畑さんの好きな物と」
私は自分の端を割って立ち、川畑さんの寿司桶から穴子を取って自分の寿司桶に詰めて入れた。
「正面に寿司桶、右手の手前に醤油皿。お醤油入ってます。左手奥にお茶、置いてあります。箸は寿司桶の前です」
「ん…」
「ご自分で食べられますか?」
「大丈夫だ。ただ…」
川畑は珍しく言い淀んだ。
「…穴子が食べられない」
…なるほど、物の位置だけじゃなく、中身も解説が必要なのだ。
「じゃあ、私の何かと、交換しましょう。
私は穴子好きなので、川畑さんの好きな物と」
私は自分の端を割って立ち、川畑さんの寿司桶から穴子を取って自分の寿司桶に詰めて入れた。