モノクロの音色よ鮮やかに響け
普段は言う機会もないし照れくさいから言えないけど、お父さんお母さんには感謝している。

祖父母が相次いで亡くなった打撃は大きくて、私はしばらく学校に行けなかった。
試験だけでも、と熱意ある先生に説得されて受けに行き、何とか進級は出来たけど、三年になってからは一度も行かず、高校は退学になった。

私は家に引きこもって本や漫画を読んだり、パソコンと会話していた。
お父さんお母さんは、学校に行けとも働けとも言わなかった。

お母さんは、私が何をしたいかを聞いて、まだわからないと答えると、
「ゆっくりでもいいから。
毎日小さな目標を持って過ごせたらいいね」
と言った。

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