モノクロの音色よ鮮やかに響け
怒っていた訳ではなさそうで、私は謝り損だ。

「いただきます!」
遠慮なしに答えると、
川畑はアハハッと声をあげて笑った。

「…お前は本当に面白いな」
川畑はなかなか笑いが止まらず
クスクスと笑いながら言った。
「…そうですか?」
外からお昼を知らせる鐘の音がした。

「ちょうどいい。昼にしよう」
川畑は一人で納得して、楽しそうに私の分の林檎を剥いてくれた。

私は雑巾を一旦片付けて手を洗い、お茶を煎れた。

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