モノクロの音色よ鮮やかに響け
3、私に出来ること
仕事を始めてから、一ヶ月半がたった。
春まっさかりの川畑邸の庭は、新緑の芝生が綺麗だった。
庭を囲うように立つ木々は、小鳥達の遊び場になってるらしく、可愛いらしい鳴き声をよく聞いた。
午前も早い時間に掃除を終わらせた私は、ポカポカと暖かい陽を浴びながら中庭に洗濯物を干していて、小さな花に戯れる蝶々を見つけて微笑んだ。
こんな音のない美しさを、川畑は見る事が出来ない。
そう思うと、少し切なくなって笑顔をひっこめた。
同じ場所にいながら共感出来ないなんて…と考えて、でも、伝える事は出来るかもしれないと思い付いた。
そうだ、庭くらいなら、散歩出来ないだろうか。
私は自分の思い付きにわくわくした。
春まっさかりの川畑邸の庭は、新緑の芝生が綺麗だった。
庭を囲うように立つ木々は、小鳥達の遊び場になってるらしく、可愛いらしい鳴き声をよく聞いた。
午前も早い時間に掃除を終わらせた私は、ポカポカと暖かい陽を浴びながら中庭に洗濯物を干していて、小さな花に戯れる蝶々を見つけて微笑んだ。
こんな音のない美しさを、川畑は見る事が出来ない。
そう思うと、少し切なくなって笑顔をひっこめた。
同じ場所にいながら共感出来ないなんて…と考えて、でも、伝える事は出来るかもしれないと思い付いた。
そうだ、庭くらいなら、散歩出来ないだろうか。
私は自分の思い付きにわくわくした。