モノクロの音色よ鮮やかに響け
門を出てから家までの道を、私はグズグズと泣きながら帰った。

雨に濡れて歩きながら、知らず頭の中を流れて来たのは、木枯らしの…
曲と共にピアノを弾く川畑の姿が鮮やかに蘇り、私はまた悲しくなった。

天才と馬鹿は紙一重とか言うけど、やっぱり川畑は変人なんだ!

私は変な理屈で自分を無理矢理納得させながら、家に帰るなりお風呂場に直行してシャワーを浴びた。

時間が早くてまだ誰も帰ってなくて良かった。

家族が帰って来るまでには、いつもの私に戻ろう。
顔を念入りに洗いながら、思った。
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