モノクロの音色よ鮮やかに響け
テーブルには、ティーポットとティーカップ。
中のグリーンティーは…

私はすっかり冷たくなったティーポットを触って、指先からすーっと血の気が引いて行くのを感じた。

螺旋階段を、かけあがる。
ティーセットもそのままに眠っているとは考え難かったけど、希望を持って確かめずにはいられなかった。

トントン…ガチャ。
部屋のノックから間をおかずにドアを開ける。
いない。ベッドは綺麗に整っている。

おかしい。
私はバタバタと走りながら、二階の扉という扉を開けてまわり、トイレまで開けてから、一階に駆け降りた。
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