君だけは離さない




力説する部下に気付かれないように溜息をつく響。



「分かった……後は俺がなんとか処理する。もう下がれ」

「はい。お疲れ様でした!」


立ち去った部下を見送ると重い腰を上げた。


部下がいつも女を連れて来るのは響の部屋があるフロアのとある部屋。


その部屋に向かい、女を脅すなり口止めをして追い出そうとこの時は考えていた。

彼にはそれだけの力があるから問題はない。



しかし僅か数分後。




響の考えは変わった。




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