訳有彼氏

 穏やかに笑い里美さんは私を見上げた。

 「ゆうちゃんは優しい子だから、あーちゃんのことだといっぱいいっぱいになっちゃうんだねぇ。」

 そう、なのかも知れない。どうも鴉孤のことになると余裕が無くなる。

 自覚すると何だから恥ずかしくなる。それも、鴉孤のお母さんに気づかされるのは…

 体内温度が上昇したところで里美さんは立ち上がった。

 「仲良くするんだよぉ?」

 「はい。」

 
 笑顔を送られ、里美さんは部屋を出た。

 静かにベッドに転がる。


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