訳有彼氏
(四)
「…ん」
目を擦りベッド上で起き上がれば、誰かが床で寝ていた。
「…あこ。あこ起きて。」
体をゆすれば、眠そうな目で私を見る鴉孤。
そういえば私、何時の間にベッドで寝たんだろう。
「ん…おはよう。ゆーちゃん」
普段とは違う、高い声が帰ってきたので驚いてしまう。
「え、と…みーくんかな?」
水澄(みすみ)君。5歳。鴉孤の中で最年少の人格。
「そうだよ。」
穏やかな笑みに、私まで笑ってしまう。