訳有彼氏

 「よかったじゃねーか。それで。お前だって、傷つきたくねーんだろーし。」

 「ちが!」

 「何が違うんだよ?お前は自分が可愛い。壊れてしまいたくなどない。そうじゃねーとは言わせねー。ずっと、壊れたあこを見てきたお前は、あこの様になりたくねー。違うか?」

 壊れたあこを見て?

 違う。違う!

 気づいたら、右手は孝太さんの左頬を殴っていた。

 …あ。殺されるかも。
 
 「あ、あこは・・・壊れてなんかない!…殴り返さないで下さいね?」

 孝太さんは笑顔で私の頭を殴った。

 
< 76 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop