あの日【短編】
授業が終わり、みんなは先生を囲んだ。
だけど先生はあとでな、と笑って人だかりを抜けて私の席に近づいてきた。
……うそっ!?
私は今にも逃げ出したい思いだったが体が動けずにいた。
「…白石…さん?」
先生は首を傾げながら私に話しかけた。
「…え?」
白石…さん
だなんて一度も呼んだことないじゃない
「ちょっと話があるんだけどいい?」
私はコクリと頷いて先生の後を着いて行った。
先生……
なんか様子がおかしいよ、
白石さんって何?
いつもみたいに白石って言って笑ってよ………
やっぱりあの日を境に先生は私を軽蔑しているのかな……
前を歩いてる先生が近くて遠かった。