あの日【短編】
「今日龍ちゃん戻ってくるんだってねー!だけどさ、ほんとアイツのせいで龍ちゃんひどい目に遭ったよねぇ」
「うんうん。龍ちゃんまじで命に関わってたよね」
「ねー!まあこんなことゆったらアイツ何考えてるかわかんないから呪われそー!」
制服を着崩した派手な女の子たちが私がすぐ近くにいるにも関わらず、私の話をしていた。
もうあの日からずっとだ。
その子たちだけではなく、藍ちゃん以外のクラスメイトが私を無視するようになった。
学級委員を引き受け、常に学年トップの成績をとってきた私は自分でも言うのも変だけどみんなから好かれていた。
そんな私があの日を境にこんな惨めな姿になっている。
…まあ仕方ないよね。
私が全部悪い。
藍ちゃんが気にすんな、とばかりに私の肩をもう一度撫でた。
♪キーンコーン
チャイムが鳴ると教室に一人の男性が入ってきた。
クラスのみんなは歓声をあげた。
「「龍ちゃーん!!」」