桃色彼氏と帰り道
すこしテンションが下がりつつ
手を振って見送ろうと悠夜と
向き合った瞬間――――
目の前が見えなくなって
フワッと大好きな人の香りに
包まれた。
「えっ?」
私は悠夜の腕のなかにいた。
「頑張ったご褒美。」
そう言ってしばらくしてから
私を離した。
そして、頭をぐしやっと
撫でられて、
「じゃーな。」
と言った。
私は口をパクパクさせて
頷くことしか出来なかった。
すると悠夜はクスッと笑って―――
あたしにキスをした。