Tricksters
その根拠のない自信は、どこから来るのかわからねーけど
コイツが、余裕綽々に笑うとどうにかなっちまう気がする。
脅迫状を送りつけてきた犯人にも、だいたい目星がついてるような発言だ。
「淳一は、"びっくりもっぷ"の販売提携してこい。
モップのことならDEMEKINだ。
業界最王手とタック組んで、年末の大掃除シーズンは主婦の皆さんを喜ばしてやれ」
「わかったよ」
それが仕事だって言うなら、やってやる。
「それから、変な奴に騙されるなよ」
「もう騙されてる」
「それもそうだな」
所長は、白い歯を見せてニッと爽やかに笑った。
コイツの事が、ますます理解不能になる。
何を考えてるんだか
狙いは何なのか?
それから今まで何をしてきたのか?
知りたいようで、俺には別次元の話のような気もする。
全容を知っても、理解はできないかもしれない。