Tricksters
営業部の城田部長
────「すみませんっ!
よろしくお願いします」
随分と腰の低いおっさんだ。
デメキンには、俺と営業のスペシャリスト
営業部の城田部長が同行するらしい。
「ってかアイツは、行かないんだな」
トリックスターズの受付では、ミエちゃんが魔女みたいに長い爪の形を整えている。
いつ見ても暇そうだ。
ミエちゃん、受付嬢でいる意味あるのかよ?
城田部長は、俺が出入りに使っているドアとは別のドアを……
ってかエレベーターあるじゃん!
「これで地上にいけるんすか?」
「ええ? すみません。
他にどのような手段で地上に?」
「いえ、別に……」
受付の"TRICKSTERS"という社名がカッコよく書かれた壁の死角にエレベーターが一台。
どうりでこれだけ社員がいるのに、出入りで誰にも遭遇しないわけだ!
なんで俺だけ、あんな裏路地から狭い階段使って出入りしてたんだろう?
誰か教えてくれよ。