Tricksters
「ふーん」
ますます、訳のわかんねー奴だな?
「感謝しております。
我々旧トリックスターズの社員も現在誰一人欠けることなく勤めている。
すみません。私も大好きな手品グッズの営業を続けていられる」
「大好きな?」
「はい、すみません。
大好きです。
子供の頃、小さな駄菓子屋で売っていたステッキから花が出てくる手品グッズがあったんですけど……
百円もしたんです。すみません……貧乏だったもので、十円のあめ玉も月に数回食べられるか食べられないかだったもので
その百円のステッキが、私には夢のステッキでした」