Tricksters
「ゼン所長も、同じように言ってくれました。
すみません。
以前は、窓際社員だった私を『部長』にしてくださいました。
ゼン所長には、特別な"ステッキ"があるのかもしれませんね」
スーツなんて堅苦しいもん着て、窮屈な革靴履いて、ダルいネクタイぶら下げて
腰の低いオッサンの昔話聞いて、ちょっと感動した。
いや、アイツに感動したわけじゃない。
トリックスターズにまともな人が働いていることに感動した。
地下鉄の駅にすぐに着く
アイツの話を城田部長から聞いていたら、あっという間にデメキンに到着した。
「すみません。このビルの、14階がデメキンの事業所です。
行きましょうか」
「はい。
あっ、そういえば俺
今回何をすればいいんすか? 所長から何も聞いてなくて」