Tricksters
モップのことならDEMEKINへ
──モップのことならDEMEKINへ
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ってか、モップについて深夜や早朝に問合せする奴っているのか?
365日24時間じゃなくてもいいような気がするけどな……
「お待たせしました。担当の雨宮です」
デメキンの応接室に現れた担当者。
この会社は、みんな作業着姿が基本らしい。
雨宮さんは、三十代くらいの背が高い男だ。作業着のジャンバーの下にはワイシャツとネクタイが見えている。
「それで? ご用件とは?
手品グッズを扱う企業でしたよね?」
雨宮さんの態度は、冷たい。
無駄話に付き合わされるなら、こっちの隙をついて追い出すつもりだろう。
城田部長は、「すみません」と謝ってから
くだびれた鞄から、"びっくりもっぷ"を取り出した。
「これは、わが社が開発した"びっくりもっぷ"です」
「ほぉーモップですか」
雨宮さんは、棒から飛び出したホワホワにちょっと興味を奪われたようだ。
モップのことならDEMENINへ──
だけど、雨宮さんはすぐに固い表情に戻る。