Tricksters
「すみません。
ありがとうございます。
ここまで足を運んだ甲斐がありました!」
「すみません。
ありがとうございます」
俺は、小突かれる前に
城田部長と一緒に頭を下げた。
「すみません。
次回は、具体的な販売価格や商品コストなどのお話をさせていただいてもよろしいですか?」
城田部長は、低姿勢のまま相手の顔色を伺う。
ってか次回?
今しちゃえよー!
また来るの面倒臭いじゃん。
「かまいませんよ。
その"モップ"はお預かりできますか? 支店長に話を通してみます」
雨宮さんは、悪い気はしてないようだ。
「すみません」城田部長のすみませんが、今日一番の低い声で発せられた。
「これは、まだ実験用に作られたモップでして
次回に完成品をお見せしたいのです。すみません」