Tricksters


途中ちょっとノリノリだったじゃねーか。


考えたことが顔に出たのか、城田部長に小突かれる。


「すみません。
失礼します。真部くん行くよ」


「ああ、はい! 失礼します」


俺は、城田部長を追って
慌てて応接室を出た。


外は、"DEMEKIN"と書かれたオレンジ色の作業服着た奴らが仕事している。


そういえば、傲慢野郎タカシもここで働いているんだよな……

そうだよ。

なんでDEMEKINなんかと取り引きするなんて所長は思い付いたんだ?


俺は、もうタカシくんとは関わりたくねーぞ?


社内をザッと見回してみても奴の姿はない。

ああ、よかった。

アイツは清掃スタッフだから、こういう事務所内で仕事しているわけじゃないんだろうな。


足早に、城田部長の後について歩く。




そんな何回も偶然会うことなんて……




「よう、淳一
なにコソコソしてんだよ? ってか、何度も何度も俺の前に現れんな。目障りだ」





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