Tricksters



「真部くん……起きて」


優しそうな女の人の声がして、耳にフッと息を吹き掛けられた。



「うわっ!」


びっくりして立ち上がると、会議は終わっていて

白いスーツ姿の内藤部長がクスクス笑っている。



「カッワイ~♪
耳弱いんだ? 反応しちゃった?」


内藤部長の手が俺の下半身に触れそうになったから、俺はその手を避けようとして

パイプ椅子ごと、床に倒れた。



「ヤッダー!
真部くん、超ウブなんだね~カワイー!」


なんなんだよ?

この人……



「お姉さんが、相手してあげようか?」



「え……いえ、お断りします」




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