Tricksters
「さっきも言ったけど、名前や経歴は大した意味を持たない。
例えば君が、東大卒の山田太郎ですと名乗ったとしよう。
俺は、今ここで聞き入れるしかない。
だって初対面だから」
なんだ、コイツ?
変わってるな。
「俺は、嘘をついてはいません。馬鹿でもはいれる高校を卒業して、建設現場で働いて、昨日リストラされました。
真部 淳一です。
はじめまして」
「ジュンイチ……
ムカつくな、顔もイケメンで名前もそこそこカッコいい」
所長は、綺麗な眉をしかめて俺を睨み付けた。
ってか、ちゃんとした面接してくれよ。
こっちは、明日からの生活かかってんだよ!
名前に、意味がないとか言っといて
一番気にしてるのはオマエじゃねーかよ。