Tricksters

「じゃあさ、『裏』は何をやってんだよ?」


「話せば長くなる」


話せよ、仕事の面接できてんだからさ!


「淳一くん、我々は履歴書が優秀な男より

電車でくたびれたバーサンを見つけたら、瞬時に席を譲るような優しい男を雇いたい」


「所長は、優先席で邪魔に長い足組んで偉そうに座ってるような男だけどね~ふふ」


ユカリさんの一言で、所長はズルリとケツを滑らせて、ソファーから落ちそうになる。


「あのなぁ……ユカリ。俺がセフレって言ったのが、そんなに気にいらなかったのか?」


「まさか! 嘘で『愛してる』と言われるよりは全然爽快ですよ。所長」



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