Tricksters
「まぁ、職場には色んな奴がいるんだよな。学生の時みたいに好きな奴だけと付き合っていればいいってわけじゃないし」
妙に落ち着きはらった智に、俺は目を丸くした。
「なんだよ?」
「智……なんかオッサンくせー! アハハハ!」
俺が笑うと、智も「それもそうだな」って豪快に笑った。
「おい、盛り上がってんな?
俺も混ぜろ」
想定外に早く所長が俺たちのとこに割って入ってきた。
ビールジョッキを俺と智の間にガンと置いて、俺は一人掛けの回転するカウンター席から落された。
俺の席にアイツが座り、俺はしかたなくその隣に座る。