Tricksters
プライベートな話は、後にしろよ……
「とにもかくにも、淳一くん。君なら、席を譲るだろう?」
「……多分譲るかな」
「合格。はい採用」
んな?
そんなにアッサリ決めていいのかよ!
「有能な秘書のユカリさん、必要書類揃えてあげて。それから、さっそく仕事……ほら例のアレ。
淳一くんにやらせてあげて」
「わかりました。私の元セフレの所長さん。
では、これが淳一くんの新しい健康保険証と年金手帳。お給料は、この通帳に振り込まれるわ」
「……え、なんでもう保険証とか通帳があるんだよ?」
「『元』って、なんだよ!? ユカリさんっ!?
ああ、淳一くんは細かい事は、気にしないでいいから」
お姉さんは、ニコリと綺麗に笑った。
「二人とも、細かい事は、気にしちゃダメですよ。
さあ、仕事しましょう」