Tricksters


「俺は、何もしてませんよ。何もできないし……」


「ぐふふ、そんなことないですよ
すみません。デメキンでお茶ひっくり返してくれたじゃないですか!

あそこで、熱いお茶を浴びたことにより
いい同情心が獲得できて話が一気に進みましたから

すみませんっ
熱かったでしょう?」


「…………ええ、そりゃ」


それだけかよっ!

もう少しなんかしただろ?
謙遜してやったけど、俺は俺なりにもっぷアピールしたんだよっ!


城田部長は、ぐふふと笑って「すみません」と言った。


俺の手の中にある小さな棒は、中身を開けて振ってみるまで何色かわからない。


ゴールドとシルバーがレア色だ。



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