Tricksters
李花、相当パニッくってやがる。
泣き声が、悲痛な叫び声に聞こえる。
「落ち着けって! 李花は、何も悪い事してないって俺は信じてやるから!
今、どこにいるか教えろ!」
ひっく、ひっくとしゃくり声が聞こえた。
「じゅんちゃんのアパート。今はプレハブみたいのが建ってるけど……」
「すぐに行くから、待ってろ。動くなよ?」
「うん……ごめんね、ごめんね
じゅんちゃん」
────息を切らして李花を探す。
「李花!」
俺が住んでたアパートは、見事壊され
その場所には小さなプレハブ小屋が建てられていた。
その脇に車やトラックが停まっているけど、人の出入りはない。
いた。
設置された自販機の横で、ドラムバック抱えて小さくうずくまっている。
「じゅんちゃん……、本当に来てくれた」