Tricksters
アイツの読みは的確だな。
『しかも、このもっぷちゃんストラップには
もっぷくんというキャラクターもいて、ストーリーもあるんですよ!
どちらが、出るか
どんな色が出るかは振ってみないとわからないんですーっ』
李花は、完全に食い付いたようでテレビ画面に釘付けだ。
『お値段も、今回は送料込みで非常にリーズナブル!
本格的な清掃にも、もちろんご使用いただけます! デメキンメーカー補償付き!
どうですか、この機会に一つとは言わずにリビング、寝室、トイレに
もちろん!
一つ買うごとに、もっぷちゃんかもっぷくんのストラップをプレゼント!
この“びっくりもっぷ”是非オススメします!』
シャパネットガタガタの放送が終わると、自然と李花と目があった。
「じゅんちゃん、今のもっぷ可愛いね……李花、ピンク欲しくなっちゃった。
ストラップも可愛い」
「そうか? 普通のモップでよくね?
でも、やるよ」
「えっ……?」
俺は、アイツからもらったオマケのストラップの包みを李花に渡した。
「なんで、じゅんちゃんがもってるの? まだ売ってないやつじゃん!」
大きな瞳をさらに大きくして、子供みたいな反応する李花。
「それ作ってる会社に就職したから」
「ウソー、じゅんちゃんすごい!」