Tricksters
コンビニで会計を済ませてから、社長を車に乗せてエンジンをふかせた。


社長の案内で、しばらく車を走らせると見覚えのある場所に到着した。


「ここですか?」


「そう。車は適当に停めて大丈夫だ。

誰もいないから」


コンクリの隙間から、根性強く雑草が生えていた。


「誰もいないって……」



車を停車すると社長は何も言わずに、車から降りてスタスタと歩いていってしまう。



「待ってくださいよ」


俺は、自分がジャージ姿なのを気にしながらも社長を追いかけるしかない。





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