Tricksters


楽しかった……

あのトリックスターズは、楽しかった。



アイツに、振り回されて
個性的な社員に振り回され


俺、楽しかったんだ。



「そっか、いってらっしゃい」


李花が、俺から離れた。


「李花……、俺
今どんな顔してる?」


「……泣きそうな顔。怒った顔が泣きそうな顔になった」



「いってきます」


高級マンションのドアは、オートロックがかかる。
入居時に設定した暗証番号か、内側から開くか、鍵を使ってそれを解除しないと開かない。

オートロックがかかったのを確認して、俺は走り出す。



アイツを止めるために







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