Tricksters
Tricksters
─────朝が来たって諦められるかっ!
「じゅんちゃん! よかったー!
大丈夫?」
「李花……、何かされなかったか?」
「李花は大丈夫だよ! 皆、ゴミ捨てちゃんとやってくれたし! 悪い人たちじゃないんだよね?」
「悪い人じゃなかったら、こんな事しないだろ。縄とけるか? テレビ台の引き出しにハサミがあるだろ」
「うん、わかった!」
朝日が、カーテンのない部屋からダイレクトに降り注ぐ。
李花は眠らされた俺の側にいてくれたようだ。
膝枕をしてくれていたみたいで、体が痛くない。
「切るよ」
「間違えて、手切るなよ」
「うん」
自由になった腕に、涙が落ちる。
「じゅんちゃん、泣いてる」
「泣いてない」
「でも、涙が……」
「泣いてない。シャワー浴びてくる」