Tricksters
「新しい部屋は、五階の505号室だよ」


「わかりました……」


俺の部屋の物が次から次へと段ボールに詰められていく。



「後は、お願いします。お世話になりました」


大家さんに頭を下げて、十五万と社員証をポケットに入れたまま部屋を出た。




李花に会わないと不味い。

アイツの気が変わって、ここに来て

何も知らずに、ここが取り壊されていたら
きっとショックを受ける。






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