Tricksters
まあ! 青天目ビルヂングなの!?
――「ここか!? でけー家だな! おい」


李花の友達に電話して、李花の実家を教えてもらった。

三年も付き合ってて、彼女の実家を知らないなんて意外かもしれないが

李花は、俺が家にくることを嫌がった。



ローンの残っている愛車の運転席から

何度も地図を確認する。




黒いワンボックスカーの助手席には、李花の可愛がってたヌイグルミが置きっぱなしになっている。


車を李花の家の前に横付けすると、ハザードをつけたままエンジンを止めた。


アイツは、一週間の半分を俺と過ごして

残りの半分は実家で暮らしていた。


不規則なシフト制のコンビニのバイトしながら、ふらりふらりと俺の所と家族の所を往き来していた……



『普通の家族だよ~お父さんとお母さんと、お姉ちゃんがいる。
お父さんは優しいけど、李花が彼氏連れて来たら優しくないかも……だから、李花がちゃんとじゅんちゃんのこと話するまで待ってて』


『やっべぇ……俺、殴られたりするかな?』


『うん。でも、じゅんちゃんなら大丈夫な気もしてきた。
だって、李花が大好きになった人と一緒にいるのが一番でしょ?
でも、頭かたいんだ。お母さんは、すぐ許してくれると思うけど』








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