Tricksters
「やめろよっ!
李花には何もするな!」


椅子はガタガタと音をたてるだけだ。


俺の体を抱え込んだまま解放してくれそうにない。


所長は、「はぁ」とため息をついて鋭い視線で俺を睨みつけた。


「そういう女の行き着く先は、こうだ。

まず、事務所に連れていかれて集団暴行を受ける。その映像を撮られて……めでたくAVデビュー。そのまま、ソープに売られて、めでたく泡娘デビュー。

金を出さないと女を抱けない汚い男たちに散々好き勝手に……」


「やめろ! オマエ絶対許さないからな!!」



汚い……

こんなやり方汚ねーよ。


こいつ、もう少しマシな人間かと思ってたけど

とことん最低だ。


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