Tricksters


「全然っ大丈夫よ! ビール大好き! おかわり!」


はえぇっ!

やっぱり、ユカリさんも
コイツらに馴染んでる。



外見と中身のギャップが、ハンパない。


佐藤さんが、両手でビールを差し出すとそれを受け取り。

プシュといい音をたてて、プルトップを開けた。



そんなユカリさんの肩に、すっと手が伸びる。


所長が、当然のようにユカリさんの肩を抱いて甘い声を出す。


「ユカリ、寿司とってくれ大トロとイクラがいい……」


男前野郎はユカリさんの耳元で囁くと、片手でネクタイを緩めリラックスした余裕を見せた。



「自分で、とってください。セクハラで訴えますよ? エロ所長」


その男前の顔は、無惨にもムギュと掴まれ押し返えされた。


「ひゅきゃりゃひゃん?(ユカリちゃん?)」


押し返された所長は、突き飛ばされて床に転がると

佐藤さんが大トロとイクラを御供え物みたいに差し出した。


「佐藤ちゃん!

気が利いて可愛いな~!
佐藤ちゃんに乗り換えちゃおうかな俺!」




< 83 / 305 >

この作品をシェア

pagetop