Tricksters
「全然っ大丈夫よ! ビール大好き! おかわり!」
はえぇっ!
やっぱり、ユカリさんも
コイツらに馴染んでる。
外見と中身のギャップが、ハンパない。
佐藤さんが、両手でビールを差し出すとそれを受け取り。
プシュといい音をたてて、プルトップを開けた。
そんなユカリさんの肩に、すっと手が伸びる。
所長が、当然のようにユカリさんの肩を抱いて甘い声を出す。
「ユカリ、寿司とってくれ大トロとイクラがいい……」
男前野郎はユカリさんの耳元で囁くと、片手でネクタイを緩めリラックスした余裕を見せた。
「自分で、とってください。セクハラで訴えますよ? エロ所長」
その男前の顔は、無惨にもムギュと掴まれ押し返えされた。
「ひゅきゃりゃひゃん?(ユカリちゃん?)」
押し返された所長は、突き飛ばされて床に転がると
佐藤さんが大トロとイクラを御供え物みたいに差し出した。
「佐藤ちゃん!
気が利いて可愛いな~!
佐藤ちゃんに乗り換えちゃおうかな俺!」