Tricksters




販売促進部の閉塞的な薄暗い部屋では、相変わらずパソコンのカタカタという音だけが響いていた。


『淳一くん、手伝って~』

ユカリさんに、可愛くお願いされた俺は資料整理を手伝って


『淳一の歓迎会やるぞ~』と所長が言いにくるまで、紙とホチキスと戦っていた。



『あっ……
そういえば、俺
タカシくんと会ったんだ』


『なんで、淳一は
そういう重要な情報隠すんだよ……』


所長は、また寂しげな瞳でジッと俺を見つめた。


『テメーが、喋る隙を与えないんだろーが!』


『まあ、いい
歓迎会が先だ!』



タカシくん、
重要じゃねーのかよ!







< 86 / 305 >

この作品をシェア

pagetop