Tricksters
販売促進部の閉塞的な薄暗い部屋では、相変わらずパソコンのカタカタという音だけが響いていた。
『淳一くん、手伝って~』
ユカリさんに、可愛くお願いされた俺は資料整理を手伝って
『淳一の歓迎会やるぞ~』と所長が言いにくるまで、紙とホチキスと戦っていた。
『あっ……
そういえば、俺
タカシくんと会ったんだ』
『なんで、淳一は
そういう重要な情報隠すんだよ……』
所長は、また寂しげな瞳でジッと俺を見つめた。
『テメーが、喋る隙を与えないんだろーが!』
『まあ、いい
歓迎会が先だ!』
タカシくん、
重要じゃねーのかよ!